Quoraで回答したので、転載しておきます。
教養を高めるための岩波文庫の乱読は今でも有効な手段でしょうか?
岩波文庫に限定する意図が分かりませんが、学術分野の良書がそろっているので、有効だと思います。
とはいえ、中には、資料的価値しかない、現代には通用しない内容の本もあり、そうした本は途中で読むのをやめても良いと考えます。
数十年前に読んだので、記憶が定かではないのですが、「キリスト教と世界宗教」( シュヴァイツェル/著)(先ほど調べました)は、「バラモン教・仏教・インド教および中国の宗教思想との対比においてキリスト教の優越性を論ずる」という、自分の信じる宗教が素晴らしく他は駄目と主張します。真面目に読む必要がない内容でした。
当時、岩波文庫はそこそこ読み、何度か繰り返し読んだ本もあります。多くの本の内容は忘れていますが、この本は読んだという経験は残っています。
ところが、私の場合、今に至り、もっと早くに出会っておきたかったという知識や知恵は、こうした学術系の本にはなかったのもあります。例えば、「傾聴」という会話の方法は、こうした分野の本にはない(なかった)ので、知ったのはずいぶん後になってからです。傾聴を知った私は、それ以降会話のあり方が180度変わりましたので、もっと早くに知っておきたかったと思いました。
結論として、学術系の本を読むだけでなく、他の分野の本も満遍なく読むのをお勧めします。