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交流と記録活動がなぜ後回しになるのか?2019.5.10

交流していない・顧客の事を記録していないお店はたくさんあります。その重要性・その効果を理解していないのです。

なぜ理解されていないのでしょうか? 3つの理由があります。

 

1つ目は、起業・開業の本に、顧客と直接向き合うことが書かれていないからです。

パン店開業のガイドブックを10冊ほど読みました。パンの知識や技術、開業までの流れ、コンセプト、開業の実例が詳しく書かれており、いずれも良い本です。しかし、顧客との交流については、書かれていません。

ある本では、売上が上がらず下がりかけているのでどうしたら良いでしょうか? という質問への答えとして、掃除や洗い物を徹底する、接客を見直す、捨てるパンの再利用を考える、とパン店の当たり前が書かれています。もちろん、基本をおざなりにしているお店もありますから、そうして改めて書く必要もあるでしょう。しかし、そうした基本をしっかりやっていても売上は上がらない、パンも美味しくお店の雰囲気も良いのに利益が出ない、実際、そんなパン店も多いのです。以前の私にはその理由が分かりませんでした。けれど、今なら分かります。売る・買うという関わりだけでなく、顧客と直接向き合う交流が必要だったのです。

こうした顧客との関わり方が、起業・開業の本に書かれているなら、街の小さなお店はもっと活き活きとすることでしょう。

 

2つ目は、顧客の記録は営業をするため、と誤解されているからです。

ある会社は、記録活動の基礎(名簿の作成・更新・取引の記録・対応を記録)はしています。けれども、その情報を、ダイレクトメールを送るような営業にしか利用していません。顧客の記録は、顧客と交流するため、というのを知らないのです。そのため、見込み客について記録していても、よく失客しています。

 

3つ目は、記録活動(顧客管理)の解説が、営業についてか、断片的だからです。

固定客を増やす方法として、営業方法の解説がよくあります。ダイレクトメール・売り込みのためのコピーライティング・ポイントカード。これらは、交流とは関係ありません。

また、一部の本は、顧客との交流について断片的に記しています。けれども、全体を見通す本はありません。

これでは、読者は、何が正解で何が不要か、分かりません。自分のお店に合った方法が見つからず、自分にあったやり方はなんなのか? 本当にこれでいいのか? と、確信がもてません。

起業・開業の前に

起業・開業の前に、商品や店舗と同じくらいに、交流方法を考える。

そうすれば、余計な回り道をしません。例えば、開業時に、初めましての自己紹介を書いたニュースレターを来店客に渡す。顧客登録用紙やカウンセリング用アンケートを用意する。顧客を記録するために顧客管理ソフトを導入する。喜びの声を書いてもらう返送用はがきを準備する。

 

お店で、どのように交流したいのか。記録活動をどうするか。考えてみて下さい。