ここでは「顧客管理」の代わりに「記録活動」と言います。
その理由をみていきましょう。
しばしば、「固定客を増やすには顧客管理が必要」と言われます。しかし、これは、半分正解で半分誤りです。正しくは、「交流」が増やすのです。「顧客管理」は不正確です。なぜなら、記録活動(顧客管理)をしても、それが営業では、固定客は増えないからです。
記録活動とは
人によって、記録活動(顧客管理)の定義が違います。ダイレクトメール、と思っている人もいます。あやふやなままだと混乱の原因です。ここではっきり定義します。
記録活動とは、顧客記録(基本情報、取引記録、対応記録)を利用する活動
顧客管理という用語は、「顧客記録を利用する活動」の意味にはなりません。辞書の解説では、管理とは、取り仕切ったり、統制したり、維持したり、という意です。英語では、administration、control、managementです。けれども、交流のための顧客管理は、顧客をコントロールするためでしょうか? いいえ、違います。お互いに分かり合うためです。
「管理」という言葉に惑わされて、道を誤るお店が多いです。せっかく顧客の記録をつけているのに、交流する道を歩まないのです。
本書では、「顧客記録を利用する活動」を短く「記録活動」とします。
記録活動の分類
顧客記録を利用するのが記録活動ですから、その範囲は広いです。例えば、記録を見て顧客と雑談する(交流)。ダイレクトメールを送る(営業)。記録をつける(記録)。記録を分析する(分析)。
ここでは、その具体的な方法を、第2章から第5章で解説します。
- 交流 「第3章:交流」
- 営業 ここでは扱いません。
- 記録 「第2章:記録活動の基礎」
「第4章:記録」 - 分析 「第5章:顧客分析」
また、PCや紙に記録せず、頭の中だけで顧客について覚えるなら、記録活動です。けれど、どんどん忘れますから、やはり記録を残しましょう。
※請求・入金・領収証は、販売管理です。