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名前で呼べている2020.1.10

友人の名前を覚えていないことは無いですよね。お店でも同じ事です。


交流が進むと、自然と、店主とお客は、お互いに名前で呼んで名前で呼ばれる関係になります。さらに進んで友人になると、あだ名で呼ぶことになります。顧客との距離の取り方は、オーナーの方針だと思いますので、どんなに親しくなっても、あだ名で呼ぶことなく、あくまでも、さんづけのみに留めるのもありです。また、顧客によっては、馴れ馴れしいと思われることもありますから、顧客毎に対応を変える必要もあります。

名前で呼ぶことの理由

名前で呼ぶことは、販売接客の方法として定着しています。また、それに関する解説もたくさん書かれています。解説にも色々ありますが、意図することが「親近感を演出して、クロージングに持ち込む」ことには違和感があります。また、名前を呼ぶこと自体が目的でもありません。私は次のように考えます。名前で呼ぶことは、相手を尊重した結果なのです。

様々な事例

ザ・リッツ・カールトンホテルの、「サービスの3ステップ」は、

 

あたたかい、心からのごあいさつを。

お客様をお名前でお呼びします。一人一人のお客様のニーズを先読みし、おこたえします。

感じのよいお見送りを。さようならのごあいさつは心をこめて。お客様のお名前をそえます。

 

「名前で呼ぶこと」が2カ所も出てきますね。リッツ・カールトンホテルにとって、これがとりわけ重要だということです。

 

  • 航空会社もビジネスクラス以上は、名前で呼ぶことを徹底しているところがあります。
  • あるドラッグストアでは、従業員皆が「○○さん、いらっしゃい」と迎えます。量販店でここまでするのは、驚きです。
  • ある百貨店の売り場や、ある美容室では、スタッフ皆で言えるようにするために、お得意様の写真を見て名前を覚える例もあります。名前を覚えようとすると、同時に、顧客の事柄を知ることになりますよね。

 

どこも、かなりの労力を払って、お客を名前で呼ぼうと力を尽くしています。ただし、マニュアルにあるからという理由で名前で呼んでもあまり意味がありません。大切なのは、相手を尊重しているという気持ちがあるかどうかです。

名前を呼ぶタイミング

いろいろな考え方があります。自分にあった方法で良いと思います。

  • 名前を呼ぶことが自体が目的では無いので、会話の流れで名前を呼ぶ必要がある時に、自然に言う。
  • 心理学でいう初頭効果「最初の印象や情報が強く影響する」・親近効果「最後の情報が強く印象に残る」を利用して、最初と最後だけ、名前を言って挨拶する方法。「○○さん、こんにちは」「○○さん、さようなら」とする。
  • 電話に出た時に、「○○さん、こんにちは。××店の△△です」と言う。これは、1、2回来店した新規客に言うのは訝しがられるかもしれないので、3回以上来店してくれた人に言うようにしているところもあります。この方法は、電話機に名前を登録するか、CTIを利用すれば、簡単に実現できます。

名前を教えてもらう

ここでは詳しく解説しませんが、いろいろな方法があります。会員登録で知ることもできますし、接客の中で教えてもらうこともできます。これも、お店にあった方法で良いでしょう。無理なく自然に教えてもらうのが正解です。

子供の名前を呼ぶ

子供はもとより、名前で子供に呼びかけると、とても親は喜びます。


前回あった時から、日が経っているなら、○○ちゃんは大きくなったでしょうね?とか話を振ると、親も祖父祖母も話をしてくれるでしょう。


けれども、子供の名前を覚えることはよほど会っていないと難しいです。
そのため、個人の記録を見て確認しなければなりません。また、漢字と読み方が、一致しないことも多く、フリガナも必要です。逆に、ほとんどの人が間違えるような子供の名前をいつも正しく言えるなら、親にしてみれば驚きですよね。

  • ある温泉旅館では、来館時にこどもの下の名前で出迎えます。
  • また、別の旅館では、受付で来館した子供の名前を聞いて、それを仲居さんが皆で共有し、下の名前で子供にことある毎に話しかけます。子供は、名前で話しかけられて喜ぶ。そんな姿を見て、親もうれしいわけです。
  • ある呉服店では服の注文で、「下の子のサイズは100cmでよろしいですか?」では無くて、「○○ちゃんのサイズは100cmでよろしいですか?」と聞きます。
  • あるこども園では、園児すべての名前を先生が覚えています。


お店が子供の名前を言えると、このお店は本当によくお客のことをわかっているんだな・わかろうとしているんだな・大切にしているんだな、と思ってくれます。

自坊では

住職は御門徒の名前を覚えていますが、名前を呼ぶタイミングは、名前で呼ぶ必要がある自然なタイミングです。意識して積極的に名前を呼ぼうとはしていません。それをしなくても、会った時に個人個人の話を傾聴し深め、相手を尊重していることに変わりはないからです。

 


あなたのお店では、名前で呼んでいますか?