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置き薬の顧客名簿「懸場帳」2019.1.20

富山の薬売りで有名な置き薬販売の顧客名簿は、江戸時代から現代まで続きます。懸場帳(かけばちょう)と言います。

各家庭毎に、住所氏名・配置薬の種類・数量、売上金額などの他(*1)、家族構成、持病なども、詳しく書いてあります。そのため、これがあればすぐに商売を引き継ぐことができるので、この顧客名簿は売買もされました。まさに、のれんです。

置き薬 の商いも、明治維新の時に危機が訪れました。 漢方医学より西洋医学を推進するため規制や税金で圧力をうけます (*2) 。お寺も同時期、廃仏毀釈を迎えるので同じですね。置き薬は、昭和30年代に入ると需要も伸びたそうですが、これはやはり人口増加が主因でしょう。

そして今、薬局の増加で置き薬の需要は低下中です。けれども、今まで培った顧客名簿と、フェイストゥフェイスでの販売を軸に、展開も考えられているようですし、アフリカでも実験されています(*3)。