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今も昔もこれからも、小さなお店に必要なこと2019.5.10

ある時、初めて訪れたカフェで「カフェの経営をどうすればいい?」と相談を受けたけれども、たいしたことを答えられなかった私。けれども、何をしなければいけなかったのか、今なら分かります。

 

結論は一言ですし、その具体的な方法も確立しています。けれども、その結論を1行だけ書いても、理解はしても誰も行動に移さないでしょう。考えて納得して決意して、行動するのです。人から言われてするのでは長続きしません。やはり、ある程度の文章量を読み進めながら「なるほどそうだな」「これは違うな」と思いつつ、「自分ならこうする」「これはしない」と考え、その上で実行にうつすのです。

 

冒頭のカフェのオーナーはカフェを閉めてしまいましたが、それ以降友人となり、今に続きます。良いカフェは長く続いてほしいのですが、なかなか続いてくれません。大学時代からカフェ巡礼をしているので、かれこれ20年以上、カフェの盛衰を見ています。行けるときに行っておかないと、次の機会が無い、というのがカフェには多すぎます。

 

対して、もう15年以上も続いているカフェもあります。カフェで10年というのは老舗と言っていいでしょう。そのカフェには、新しく出来た頃に行って、それから私にとっては遠いところにあるので年に何回かしか行けず、今はさらに遠いところに私が引っ越したので、年に2回行くぐらいになりました。それでも、そのカフェが重ねる年月には、私が結婚してパートナーを連れて行き、次は子供も連れて行く、という私の人生の一部が加わります。オーナーと話をするのが楽しみなところです。

 

他にも、パン屋さんのカフェや、ギャラリーカフェで、オーナーと友人となり、話をするカフェがあります。

 

共通点は何でしょうか? なぜ私は何度も行くようになったのでしょうか? 答えは明らかです。オーナーが私を覚えていて、私も相手を知っている。行けば、話をする。つまり、交流があるからです。

 

交流こそが、固定客を増やします。

 

小さなカフェが、飲み物や食事、内装などの雰囲気に注力するのはもちろん大切ですが、それだけではカフェは長続きしないことを私は数多く見てきました。冒頭に書いたカフェはまさにそうでした。珈琲もちゃんとしているし、美味しいパンとカレーに、こじゃれた雰囲気。その点は良いものでした。けれども、顧客との交流が足りなかった・・・新規の顧客と交流し、固定客を増やすことが足りなかった、と、今、振り返ってみれば分かります。

 

同じ物なら、人は、知らない人より、知っている人から買おうとします。高額な物ならなおさらです。不動産は、信頼できる担当でなければ売買しようとはなりません。

 

顧客との交流方法は、今も昔も変わらない、そしてこれからも変わることの無い方法が確立しています。それは、誰もができることですが、誰もがしているわけではありません。人は何故、やればいいと理屈では分かっていることを実行しないのでしょうか。例えば、太りすぎは良くないから間食はやめよう、と頭では分かっていても、お菓子に手が出てしまう。あるいは、歩いた方が健康にはいいと分かっていても車に乗ってしまう。おそらく、人から言われただけでは駄目なのです。自分で納得して決意しなければ実行しないのです。顧客と交流する方法は幾つもあって、いずれも簡単なのですが、お店のオーナーが決意しなければ始まりません。本書に書いた幾つもの方法も、自分が出来そうだと思うことからスタートすれば、お店に固定客が増えていきます。けれども、実行しなければ何も変わらないのです。