SF小説。
面白いという評判なので、第一部を読みました。
確かに面白いので、読む価値があります。
追記
第二部は、3日間で読みました。続きがどうなるか、知りたくなるのであっという間に読み終わりました。
第三部も読みました。結末をきちんとつけて、話を終えてくれたので満足です。
以下、ネタバレ。
第一部 三体
最初に描かれる文革が凄惨で、引き込まれます。そして、数値のカウントダウンが始まるあたりから背筋が寒くなる不穏な気分で読み進めることになりました。いったい、どう辻褄を合わせるのだろう、という疑問もありますが、さらにモールス信号の不可思議な出来事が起こります。
無力で翻弄される登場人物(汪淼 おうびょう)の、絶望が痛いほど伝わります。
このタイミングで、嫌な奴ですが、リアリストの人物(史強 しきょう)が現れ、救いが示されます。この本の最後も、史強が救いの指針を示します。この史強、人気キャラクターらしいです。確かに、人気になるのもよく分かります。
全体的に先がどうなるのだろう、と強く気になる小説になっています。とはいえ、異星人の物事の考え方が人のような点、ナノマテリアルで船を切断する点が、リアルではない感がして、少し、しらけました。小説の世界から現実に引き戻されて苦笑する部分でした。それとも、異星人のあり方が人に近い部分がある、というのは、その後の伏線なのでしょうか。
第二部、第三部を読んで、確かめてみます。
第二部 三体II 黒暗森林
登場人物の羅輯のなそうとしてることは、他の人には理解されません。しかし、それでもなお責任を果たすのです。一般人でありたかったのに、それが許されない。そうした状況は現実世界にもありますよね。
異星人の三体は、人と交渉することもある生命体です。人類との違いはありますが、人と近い部分もある。その理由が、三体の起源が人類と関わりがあるという予測をしつつ、第二部を読み進めましたが、そうしたことはありませんでした。第三部では、どうなるでしょうか・・・
第三部 三体III 死神永生
人類の起源に三体文明との関わりがあったのか、その逆だったのか、を予想していたのですが、それは、全く描かれませんでした。代わりに、宇宙の起源と終わりが描かれていて、物語が終末を迎えます。きちんと物語を終わらせてくれて、ありがとう、です。
第一部、第二部と同様、スリリングな展開が続きます。先がどうなるのか気になり、読み進めました。
難を言えば、第三部の主人公の「程心」の運命は、物語を進めるために都合の良すぎる展開なのが気になりました。とはいえ、程心には、過酷な役割がになわされます。もし、自分だったら、そうした責任はとりません。程心は、壮大な時間を生きざる得なかった。それが責任の取り方だったのでしょう。