概要
浄土真宗本願寺派(西本願寺)では、親鸞聖人の誕生日・往生日を西暦(グレゴリオ暦)に換算します。
ここでは、本願寺派での西暦換算について記載します。
(ご縁帳ガンジスでは、これに対応し、日付の西暦換算・西暦基準での回忌計算を行えるようになっています。)
新暦への換算
(親鸞聖人の)「ご誕生・ご往生、ともに本願寺派では、新暦に換算した日を用いています。」*1
従って、ご往生の日付で、旧暦・西暦を併記する場合は、「1263年1月16日(弘長2年11月28日)」、または、「弘長2年11月28日(1263年1月16日)」のように記載します。*2
祖忌祥忌告諭書
政府の明治改暦に併せて、親鸞聖人の御降誕(ごごうたん)・御遷化(ごせんげ)の日に関して、「祖忌祥忌告諭書(そきしょうきこくゆしょ)」を本願寺は発布しました。
この中で、遷化(せんげ)の日は、「弘長(こうちょう)二年壬戌(みずのえいぬ)十一月廿八日、紀元千九百二十三年一月十六日」と改訂されました。*3
紀元1923年とは神武紀元であり、西暦では1263年になります。
報恩講の日取りを旧暦から新暦に変えた年
明治7年(1874年)です。
「明治7年(1874)太陽暦を採用した初めての御正忌報恩講」*4が行われました。日本の旧暦は明治5年までで新暦は明治6年(1873)1月1日から始まります。従って、改暦の翌年から1月16日になりました。
同様に、旧暦の日付を新暦に改め法要を行う例としては、宗祖降誕会(しゅうそごうたんえ)があります。第21代明如上人が、明治7年に、親鸞聖人の誕生日を旧暦4月1日から新暦5月21日とし、法要を行いました。*5
650回忌と700回忌
西本願寺では、
- 「明治44年(1911)宗祖 650 回忌を2 期に分けて勤修」*6
- 「昭和36年(1961)親鸞聖人 700 回大遠忌法要を 2 期にわたって勤修」*7
されました。
これらの回忌は、弘長2年・1262年を1年目とし数えた年になるようです。
親鸞聖人750回大遠忌
2012年(平成24年)1月16日が、宗祖親鸞聖人の750回忌にあたります。つまり、2012年(平成24年)が750回忌の年です。ただし、大遠忌法要は前年の2011年4月より行われました。*8*9
この回忌は、西暦に換算した1263年を1年目とし2012年までを数えた年になるようです。
出典
*1 『「浄土真宗の教章(私の歩む道)」を理解するために』(2010年 p.12)(『浄土真宗の教章(私の歩む道)』(2008年)を解説した冊子)
*2 『親鸞聖人のご往生が1262年というのは間違いだった!?』 あなかしこ創刊号(本願寺教学伝道研究所 2009年)
*3 『親鸞聖人七百五十回大遠忌についての消息』をいただいて(二) 千葉乘隆(宗報、2005(平成17)年度7月号)
*3 『本願寺の系譜 ─歴代宗主の事績と聖教─ 』冨島信海 p.58
*4 『知ろう!仏教賛歌(2)「宗祖降誕会」』本願寺新報 2016年5月1日号
*5 『本願寺の系譜 ─歴代宗主の事績と聖教─ 』冨島信海 p.60
*6 同 p.62
*7 『親鸞聖人750回大遠忌についてのご消息』(2005年1月9日)
*8 親鸞聖人750回大遠忌法要チラシ